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【8月3日】『ロシア文学の怪物たち』刊行記念 松下隆志×樋口恭介「ロシア文学とユートピア的想像力」

『ロシア文学の怪物たち』刊行記念 松下隆志×樋口恭介

「ロシア文学とユートピア的想像力」

2024/08/03 (土) 19:00 - 20:30

タイトル:ロシア文学とユートピア的想像力

概要:
2024年7月に刊行された『ロシア文学の怪物たち』は、『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)などの“怪作”を訳してきたロシア文学者の松下隆志さんによる異色のロシア文学入門書です。
ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ……彼らはこれまで日本の作家たちに多大なインスピレーションを与えてきました。ロシア文学はなぜこれほどまでに私たちを惹きつけるのでしょうか? その理由の一つは、つねに「今ここ」とは違う世界を夢見てやまないユートピア的想像力にあるように思います。日本と同じく西欧の影響下で近代化したロシアは、理想と現実とのギャップに直面し、作家たちは西欧近代とは異なる世界の在り方を模索しました。そして、冷戦終結後、「大きな物語」が失効したかに見える今もなお、ロシア文学はユートピアへの志向を失っていないように見えます。
トークのお相手は、『異常論文』『構造素子』などで知られるSF作家の樋口恭介さん。イベントでは、近年話題のAIや宇宙主義などのトピックもまじえつつ、19世紀の文豪から、ソローキンやペレーヴィンといった現代作家の作品まで、暗く危険な魅力を漂わせるロシア文学について語ります。

【登壇者プロフィール】


松下隆志(まつした・たかし)
一九八四年、大阪府生まれ。専門は現代ロシア文学・文化。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ―ソ連後のロシア文学を読み解く』(日本ロシア文学会賞受賞)、訳書にソローキン『吹雪』『親衛隊士の日』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』、マムレーエフ『穴持たずども』など。


樋口恭介(ひぐち・きょうすけ)
作家、編集者、コンサルタント。
anon inc. CSFO、東京大学大学院客員准教授。『構造素子』で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞。『未来は予測するものではなく創造するものである』で第4回八重洲本大賞を受賞。編著『異常論文』が2022年国内SF第1位。他に、anon press、anon records運営など。

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